カテゴリー「書籍・雑誌」の69件の記事

2010年9月 5日 (日)

リファクタリング・ウェットウェア

脳をどうやったらうまく活用できるのかについて書かれた本。表紙の裏(と裏表紙の裏)にマインドマップで本書の全体像が書かれているのが微笑ましいです。著者のAndy Huntは達人プログラマーの著者として有名で、オライリーから出版されているからも、対象は主にプログラマなのですが、著者は対象をプログラマには限っていないようです。

本書の要約は、著者自身が描いたマインドマップに示されていて、それが「正解」だと思いますが、自分なりにキーワード・要約を上げるとすると

  • ドレイファスモデルの5段階
  • Rモードで全体像を捕らえてLモードで詳細を学ぶ
  • Rモードを意図的に作る
  • 高コストな脳のコンテキストスイッチを避ける
  • 脳には認知する機能にバグがある

コンテキストスイッチは避けたいのですが、実際は会社では避けられていません。「至急」とか「すぐに」とかいう単語が飛び交い、マルチタスクに近い状態になります。ところが、マルチタスクは苦手なので、単一のタスクしかできません。そして一旦ワークメモリから追い出された「タスク」は、すぐに忘れられてしまうので、最近はノートにタスクを箇条書きするようにしています。

あとはRモードを使えるように、瞑想とかやりたいです。

最後に気になったことを2点。

  • 2章に、左目が脳の右半球に、右目が脳の左半球に繋がっているとの記述があるが、MIND HACKSによると、視界の左側が右半球に、視界の右側が左半球に繋がっているとのこと
  • 4章にバグの由来は一匹の蛾だった・・・とあるが、その蛾が貼り付けられた日誌には"First actual case of bug being found."とあるので、その時点で既にバグという用語は使われていたように思える

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2010年2月12日 (金)

なぜコンピュータの画像はリアルに見えるのか

 本書は最新のCG技術について詳細に述べた本では「ない」。本書は、「見る」とはどういうことかという点について物理学、解剖学的観点から語り始め、モニターや写真や印刷の原理を経由して、最終的に「リアルな」CGを描く際の基本的な考え方について述べる本である。筆者の興味/狙いは、リアルなCGを描くための最新テクニックについて解説することではなく、「見る」とはそもそもどういうことなのか?であり、それを利用/解明する手段としてCGがあるようだ。
 リモコンの赤外線がデジカメには見えること。日光に含まれる光のスペクトルは連続的だが、人の網膜はRGBの三原色しか認識できず、間を「補完」していること。連続とはいえパワーの分布には偏りがあり、最も強い赤のあたりのスペクトルの感度が高くなるように進化していること。プリンタのインクはなぜシアン、マゼンタ、イエローなのか(!)。人間の網膜のRGBの三つのうち、Bの感度が低いので、モニター類がRGBを等価に扱っているのは少し無駄があること。液晶モニターは1ピクセルにRGBのフィルターが横に並んでいるが、その1/3ピクセルまでも考慮にいれ、隣のピクセルとのあわせ技も考える技があること。
 などなど、個人的には目から何枚も鱗が落ちたすばらしい本。「視覚」「見る」の原理について興味のある方は是非。おそらく小中学生が読んでも面白いと思う。
 この人、仕事を加速する技術も書いているんですね。恐れ入ります。 

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2010年1月31日 (日)

パターン、Wiki、XP

 最初、デザインパターンとか、Wiki、XPについて、「哲学的な」視点から、昔の建築家の思想との類似性を見いだしてなんかそれっぽいこと(ポストモダンがどうとか)を言うのかもなぁと思っていたのですが、さにあらず。
 デザインパターン、Wiki、XPの背景にある哲学は、建築家アレグザンダーの思想が原点であり、そこからベックのソフトウェア開発プロセスへの応用、カニンガムのWikiへの応用と続いていくという、半世紀近くにわたる歴史が述べられています。
 むしろ今まで「Wiki」や「パターン」の思想的背景について語られてこなかったことの方が不思議で、著者もはじめは「Wiki」の歴史について調べようと思い、せいぜい1991年(ティム・バーナーズ=リーのWebの発明)までさかのぼれば良いだろうと思っていたとのこと。
 まさか、Wikiの原点がWebより古いとは。そしてそこにアラン・ケイが絡んでいたとは。さらにその思想の原点が1960年代の建築家の思想にあったとは。

 余談ですが、オブジェクト指向の提唱者がアラン・ケイだと初めて知りました。そして、オブジェクト指向とGUIは密接に関係していたんですね。

 アレグザンダーが生んだ思想がソフトウェア開発の世界で花開き、再びアレグザンダーにフィードバックされていったp.107の記述は、感動的ですらありました。

 現代のソフトウェア開発プロセスの思想的な背景、デザインパターンの思想的背景について興味がある方は是非。そうでない方も、そこには一連の思想が流れているということだけでも知っていると良いのではと思います。
 参考文献欄も充実しているのでまた読みたい本が増えました。

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2010年1月 1日 (金)

MacBookパーフェクトガイド2010

あけましておめでとうございます。
昨年末に実家にて本書でMacについて勉強(?)してきました。最初はSnowLeopardの本を買うつもりでいたのですが、書店で本書を見つけて、こっちの方が良いかも?と思ってこちらを購入しました。マルチタッチの使い方とか、BootCampでWindows7をインストールするやり方とかが書いてあったのが決め手でした。
僕みたいに、iPhoneを買ってMacに興味が出てきたから、MacBookが10万円を切ったから、OS XはUNIXなので良い、など様々な理由で初めてのMacとしてMacBookを買った方、とりあえず買っておきましょう。

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2009年11月23日 (月)

サバイバル時代の海外旅行術

先月アメリカにいった際に成田空港で購入し、行きの機内で読んだ本。まさに海外に向かっている最中に読んだので切迫感がありまくりで夢中になって読んでしまいました。
もともと海外旅行好きの友人に勧められていたのですが、偶然成田空港で手に取ることとなりました。
本書の趣旨は、「日本人は海外旅行に行かない。それはガイドブックの質が悪いせいではないか?かつて「地球の歩き方」はバイブルであったが、今は昔の面影がありつつも別の本になっている。ほかの本は推して知るべし。だから今の日本で本当に楽しい海外旅行に行くためには、自分でガイドブックを作るしかない。本書はガイドブックを作るためのガイドブックである」といったところでしょうか。
本書には楽しい海外旅行にいくための具体的な様々な技が書かれています。CIAのサイトでその国の動向を調べるとか、iPhoneはSIMフリー版を買うべき(!)とか、海外のガイドブックはこれを買うべきであるとか、LCCを使ったハブ型旅行がこれからのトレンドであるとか。
単純に旅行をするだけではなく、「ノマド」として生きることがこれからの人々の生き方になるかもしれない。そのための手引きとしても読める、わくわくするような本でした。

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2009年11月21日 (土)

15×24

最近各所で話題になってた15×24で、そんなに話題になるなんて、すごいなぁ、誰の本かなぁと思ったら新城カズマの新刊で驚きました。
新城カズマ、僕、前からファンなんです。でも、数年前までは、正直、本屋でもあまり見かけないし、ラノベの王道からは外れているのかなぁ、面白いと思うんだけどなぁ。と思っていました。
ところがここのところ、ラノベ関係の新書を出したり、サマー/タイム/トラベラーが評価高かったりと、意外と存在感あるかも?なんて思っていたのですが・・・
サマー/タイム/トラベラー以来の新刊だそうで、「あれ?そんなに出してなかったっけ?」という印象です(途中で非小説を書いてたから?)。

内容は登場人物の独白(?)が頻繁に切り替わる新しいスタイルで、ケータイとWebの「今」の様子を切り取った・・・といったところでしょうか。
ケータイとかWebが近未来的なガジェットとしてではなくて、僕らが普通に使っている道具として扱われているところが新しいといえば新しい・・・のかな?

まだまだ続くみたいなので、とにかくどうなるか楽しみです。

■2009/11/23(Mon) 追記

3巻を読了。登場人物が多くて誰がどこで今どんな状況になっているのかがわからなくなってしまい、ちょっとついていけないところもあるのですが、とにかく3巻「link three」はヘビーな展開を見せてきます。これ、確かに毎月のように出してもらわないとわかんなくなっちゃうよねー。

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2009年10月 7日 (水)

まぐれ/ブラック・スワン

タレブ氏の「まぐれ」を読んだのは今年の初めで、もはや内容はほとんど忘れていますが、本当に賢い人ってこういう人(=タレブ氏)のことを言うんだろうなぁと言うことだけ、覚えています。
で、「ブラック・スワン」では、「まぐれ」でも語られた、予測不可能だが発生すると決定的な影響を与える事象「黒い白鳥」について語られています。

「ブラック・スワン」で登場するキーワードは、人の身長などガウス分布で表現される「月並みの国」と、年収や本の売り上げなど、本の一部が全体のほとんどを占めてしまうような「果ての国」です。

人間は月並みの国に適応するように進化してきたため、果ての国の事を感覚で捕らえることが困難です。しかし、残念ながら現代の人間は「果ての国」に住んでいます。
ボタンひとつで何万人もが殺せたり、ごく少数の大金持ちがいたり、ごく少数のベストセラーがあったり、ごく少数の検索エンジンだけが使われたり。黒い白鳥は、そういう果ての国で出現します。

そして、果ての国を感覚で捉えることのできない人間は、果ての国で予測をすることが非常に困難です。

月並みの国でならともかく、果ての国の予測でお金をもうけている人たちは、本人たちに自覚があるのかないのか分かりませんが何れにせよ「知的サギ」をしている・・・というのが本書の主張です。

ちょっと訳に分かりにくいところとか数学的に難しくてよく分からないところとかありますが、「本当のこと」が書かれている本だと思います。

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2009年8月22日 (土)

iPhoneアプリで週末起業

何かのページで読んだのですがiPhoneアプリビジネスはいまやレッドオーシャンだそうで、すでにビジネスとしてのうまみはないのかもしれません・・・が、まだ夢はあると思います。

で、本書なのですが、タイトルからしていかにも流行のネタに乗っかった薄っぺらい本で、むしろSDKの解説本を買った方がよいかも・・・と思ったら、さにあらず。iPhoneアプリ開発ビジネスに関する、かなり具体的なノウハウ本になってます。

1章はiPhoneアプリビジネスの全体像、うまみや注意点について。2章はiPhoneに限らず、アンドロイドを中心に、NOKIAのシンビアンやMicrosoftのWindowsMobileなど、ケータイアプリ開発ビジネスの全体像について。3章は日本でのiPhoneアプリ開発者の紹介。

で、個人的には4章が本書のキモだと思います。iPhoneとMacを買ってから、自作のアプリがAppStoreに並ぶまでの事務手続きの「勘どころ」が書かれています。税務書類の書き方(裏技含む)だとか、提出方法だとか、アプリのサポートページの用意の仕方だとか、プロモーションのするための小技だとか。。。

iPhoneアプリを開発して、AppStoreに並べたい!と思っている人は、とりあえず本書を読むと、「ビジネス上の事務手続き」の面でかなりの稼動削減になるかと思います。

さて、あとはMacとSDK解説本を買わないと・・・

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2009年8月12日 (水)

仕事をするのにオフィスはいらない

夏休みは読書週間のつもりでいろいろ並行して読んでいるのですが、分厚い本とかオライリーの本とかはなかなか読みづらくなかなか進まないなぁ・・・と、思っていたところで手に取った本書は楽しく一気に読んでしまいました。

本書の主張は、サブタイトルにあるように、ノマド(放浪者)・ワーキングのすすめ、つまり、Webサービスとモバイルのインフラを駆使して、既存の「会社」のように時間や場所を制限されることなく、自由に働くことが現実的になってきていますよ、やっちゃいましょうよ。ということです。

行きたくもない飲み会。無駄かつ苦痛な満員電車。他の人からの不意打ち的な割り込み作業。こんな非効率さから解放されたい。

キーワードは、モバイル(スマートフォン)、クラウド、サードプレイス(スタバ)です。

はっきり言って僕の憧れです。クラウド上にデータはすべて保存し、それをノートPCやiPhoneで随時閲覧、編集する。クラウドサービスと、モバイルインフラの整備により、一人で集中したいとき、リラックスしたいとき、知人と議論をしたいとき、好きなときに好きな場所で仕事ができる。深夜ですら、skypeチャットで議論ができるし、スタバでカフェモカを飲みながらスプレッドシートを編集できる。
あーそんな風に仕事したいなぁ。

本書のポイントは、

  1. そんなワーキングスタイルが現実的になってるよという紹介
  2. そんなスタイルでやっている人、会社の具体例
  3. そんなスタイルでやるための心構え「アテンションコントロール」について
  4. そのための使えるWebサービスの具体的な紹介

かなと思います。「無理に集中しようとして努力して疲れて」という指摘にはなるほどと思わされました。そもそも集中できないような要素はあらかじめ排除しておくことは大事だと思います。個人的には今でもブラウザで余計なページのタブは開いておかないとか、受信メールがあると気になるのでメイラーは常駐させて置かないとかやってますが、ノマドになるとしたらより自覚的にやる必要がありそうです。

あと、気になったのは、紹介されていた人がやはり(?)Let's noteを使っていたことです。やっぱりモバイルPCの王道はLet's noteなのかなぁと思ったしだいです。X40も(1.8インチHDを除けば)いいと思いますけどね!

最後、紹介されていて気になった(知らなかった)Webサービスとして、蔵書管理のメディアマーカー があります。なにやら著者の人が強く推薦している蔵書管理サービスらしいので、ちょっと登録してみようと思います。

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2009年3月16日 (月)

サブプライム後の新世界経済

前作「サブプライム後の新資産運用」がそこそこ面白くて、新聞広告で各種ランキングで売り上げ一位とか書いてあったので、買ってみた。

平易な言葉で書かれていて、強調したいところはゴシック体になってたり、各節の終わりにpointがまとめてあったり、とっても読みやすく、わかりやすい。今風だ。

本書で書かれていることのことのうち、個人的に興味深かったのは(それが事実かどうかはともかく)

  • サブプライム問題まで、アメリカの住宅バブルを背景とした後先考えない個人消費が、世界経済を支えていた
  • 世界の金融資産は最盛期180兆ドルに比べ、サブプライムローン証券の総額は1兆ドル程度だったが、その1兆ドルが世界の経済を混乱に陥れた(人間の不合理性の表れだが、これは予想できたこと)
  • アルゼンチン、ベネズエラは、今後10年くらいでやばいかも
  • 10年のレベルでこの景気(株価)は続く
  • アメリカ経済と世界経済は一蓮托生だから、アメリカ経済の復活こそが世界経済の復活につながる。だから、各国はアメリカの国債を買ってアメリカを支えるべきだ

これ以外もいろいろ書いてあって、お勧めのネット証券(SBI)やネット銀行(ソニー銀行)など具体的なことも書いてあっていいのだけど、おそらく著者が一番強調していたのは、「経済の先を予測するに大事なのは、経済学を学ぶことではなくて、哲学、歴史学、心理学、などさまざまな考え方に基づいて考えること」ということ。確かに、経済学は予測には役立たないようで。
世界で何が起こっているのか、事実の認識が大事だ思うのだけど、本書にもあるとおり、その事実は自分で探さないとわからないんだよね。
もっと勉強が必要だということで。

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