投資銀行残酷日記
たしか「なぜ投資のプロはサルに負けるのか?」の藤沢数希氏が薦めていた(気がする)のが本書。先月に読了していたのだが色々あってentryを上げるのをサボっていた・・・ら、リーマンが破綻してびっくり。
が、もし本書を読んでいなければ、リーマン破綻に対する感想が全然違っていただろう。きっと「リーマンの人もたいへんだなぁ。高給取りもリスクが高いから仕方ないか」と思っていたに違いない。
しかし、本書を読んだ今となっては違う。きっとリーマンの社員たちは、しれっと次の職についたに違いない。(ただ、自社株を持っていた社員の人はご愁傷様だが、それこそ自業自得。「卵はひとつのかごに盛るな」。)
本書には何が書いてあるのか?
- 投資銀行にはどういう人たちが、何を期待して入社するのか?
- 投資銀行という職場はどんなところか?
- 投資銀行という仕事は実際はどんなことをしているの?
MBAホルダーがひしめき、「ロケット工学」の技術者が大挙して押し寄せるという投資銀行とはどんな世界なのか?どれだけの知性と、勇気が試されるのか?どんなスリルと達成感を得られるのか?そしてそれに見合った収入について彼らはどう考えているのか?
本書で僕が得た教訓は、「スキルが高いから、頭がいいからお金がもらえるわけではない」ということだ。資本主義社会では、お金を持つものがお金を得る。お金が好きでお金の近くに居たい者がお金を得る。
大事なことはお金を得るということを忘れずに、そこに邁進すること。投資銀行とはそういうところだ。
そこには、「効率性」「協調性」「革新性」などは求められない。ひたすらボスの無理難題に耐えて生き延びることだ。そうすれば数十万ドル数百万ドルのサラリーを手にすることができる。
結局のところ、金とは人と人との間を流れるものであり、つまり「欲望」が最もストレートに表現される「場」でもある。人の欲望を満たせれば、それが金になる。金がほしい人相手に商売をするのが最も金になる。人の欲望が渦巻く投資銀行は、知性や協調性や革新性よりも本能こそが似つかわしい。
サラリーマンとして、効率化や生産性向上などを追求しなければならない身としては、本書を読むとなにかむなしさを感じるところもある。「こんなの必死になって効率化したって、結局何十億儲かるわけでもないんでしょ?投資銀行の稼ぎと比べたらごみみたいなもんだよ。そんなにお儲けを出したけりゃ、投資銀行の仕事すりゃいいのに・・・」といっても僕はしがないSEに過ぎないし、投資銀行の過酷な生活には耐えられそうもない。(とはいっても、ちょっとはやってみたい気もする)
リーマン破綻後、世界がどうなるか、面白い局面になってきた。もし、リーマン以前の投資銀行の世界をのぞきたい方は是非。今後こんな世界が続くかどうかは不明・・・。
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